競合各社の多くも、ベッドや枕を売る際にまずテストをすべきだと言うようになってきましたが、譚社長はその傾向を嬉しくも憂いてもいるそうです。M.P.T.の概念が広く普及したことや消費者に認知されたことは喜ばしいことです。なぜならこれこそ譚社長が努力を重ねてきた目標だったのですから。譚社長がM.P.T.の概念を広めようと取り組み始めた時、最大の困難は顧客の認知がまだ低かったことでした。その頃はベッドや枕は柔らかければ柔らかいほどいいものだと思われており、体重や骨格が人それぞれ異なるという点が見過ごされ、価格が高いものを買うほど体の状態も悪くなるという悪い結果を招いており、そういう人々に正しい観念を理解してもらうのは相当困難だったのです。
「こんなに時間をかけてテストしたのに、たった1種類の枕しか買えるものがないなんて、テストする必要など全くなかった」などと言われてしまうのは、一面的にしか理解されておらず、消費者に誤った概念を与えてしまっているからだと残念そうに語る譚社長。そこで譚社長は社員を教育する際、いかにして顧客の健康を思いやるかという概念教育から始め、測量の手順についてもチェックすることにしており、接客時に多少時間がかかったとしても、顧客に不適当なものを買わせて後日また商品を交換するようなことにならないように心掛けているそうです。
同業との激しい競争の中で、時には直接商品をコピーされることもあります。枕の新製品を発表すると、まったく同じカーブや高さの偽物が市場に出回ることがよくありますが、譚社長にとっては意外なことではないと言います。譚社長によれば、マットレスも枕も、数か月もの間に何百人ものテストを重ねており、研究開発から製造、テストに至るまで相当多くのプロセスを経なければならず、仰向けでも横向きでも眠れる枕一つをとってみても、最も適切なカーブや高さに調整できるまでに2年もの時間がかかり、相当の心血を注がなければならないからです。
譚社長は、自社のベッドや材質に相当な自信を持っています。譚社長いわく、形状さえ正しければ睡眠中に完全にリラックスできるというわけではありません。睡眠科技会社は新素材の研究開発を絶えず進めており、防熱性の高い材質のものも売り出すなど、医学的な観念を導入すると同時に快適性をも兼ね備えた製品の開発に努めています。単価が高すぎるという声も多くありますが、「一日のうちに睡眠時間は8時間もあるのですから、価格を時間で割ってみれば、この投資は価値のあるものだと思います。」と語る譚社長は、価格競争に転じるより、原料、技術、品質、そして市場のニーズの分析などから着手し、研究により多くの時間をかけことによって商品の競争力を高めるべきだと主張しています。
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